コミックビーム 2014年4月号

コミックビーム 2014年4月号

「放浪息子」コミックスストラップ付き

寸評

今月も新連載が2本あります。どちらも次号が楽しみになるさすがの出来。
「赤パン先生」が最終回。サイレントな前半が印象的な、大事に迎えた最終回です。
ここ最近はガロを彷彿とさせるサブカル寄りな新連載が多かったですが、また違う作風の新連載が入ってきてビームらしい感じになってきたなと思いました。

レビューをAmazon.co.jpに書きました

アイキャッチ画像

アイキャッチ画像はコミックビーム2014年4月号。

「コミックビーム」2014年4月号表紙
※「コミックビーム」2014年4月号表紙

志村貴子先生の新作が表紙。
ちょっとヒネてそうな黒髪おさげの女の子と、ふんわりした感じの今風の女の子。
左が題名にもなっている「ちえちゃん」で、右が主人公の「さほ」。
布っぽい背景とパステルカラーのマーカーのような文字が絵柄を引き立てます。

ここ最近おどろおどろしい表紙が多かったので、急に違う雑誌になった感じがするほどです。
並べてみるとその差が分かりやすいです。新連載の主役二人が描いてあることは同じなのにこの違い。

左「コミックビーム」2014年3月号表紙、右「コミックビーム」2014年4月号表紙
※左「コミックビーム」2014年3月号表紙、右「コミックビーム」2014年4月号表紙

これが「コミックビーム」という懐の深さを表しているとも言えます。

レビュー補足

付録コミックス・ストラップ

志村貴子先生の「放浪息子」1巻がコミックス・ストラップとなって付録。

「コミックビーム」2014年4月号付録「放浪息子」コミックス・ストラップ
※「コミックビーム」2014年4月号付録「放浪息子」コミックス・ストラップ

作りはいつもどおりなのですが、背景がモノクロなのでカラーの人物がより立体的に見えます。

新連載「ジュウマン」にトニーたけざきの魂を見た

「ジュウマン」に出てくる巨大人間兵器ですが、トニーたけざき先生の傑作「岸和田博士の科学的愛情」の魂を感じてしまいました。

こっちが「ジュウマン」で鉄(クロガネ)が変身?するジュウマン。
戦艦が変形したような形状してます。中身は巨大化した鉄(クロガネ)が入ってます。。

「コミックビーム」2014年4月号98ページ
※「コミックビーム」2014年4月号98ページ

そしてこっちが「岸和田博士の科学的愛情」に出る「米国海軍空母陸戦形態 空母マン88」。
米軍ミニッツ級空母が変形した陸戦形態!

「岸和田博士の科学的愛情」第12巻116ページ
※「岸和田博士の科学的愛情」第12巻116ページ

生物と機械の融合が特徴な両先生ですが、深層意識のどこかが近いところで繋がっているんじゃないかと思うほどです。

「ナナのリテラシー」休載

鈴木みそ先生の「ナナのリテラシー」が急きょ休載となりました。
本誌には御親族の御不幸とありましたが、先生がtwitterで理由を書いています。

先生ご一家とお姉様との厚い関わりと思い出、そしてお姉様の人生について、先生の奥様がブログにしたためていらっしゃいました。

ありがとう、琴ちゃん。またね。 – 万華鏡おかわり
http://misokichi.com/okawari/2014/03/post-155.html

ご冥福をお祈りいたします。

レビュー後記

ここ最近の新連載ラッシュは面白い作品が多く読んでいて楽しいです。
漫画で連続新連載というと新人ばかりというイメージがありますが、ビームの新連載ラッシュでは実績の厚い先生もおり質と量の両面でしっかりと押さえてきている感じです。

新連載があれば最終回もあるわけですが、押し出すように最終回ラッシュというわけではないので安心しています。
というのも、別冊少年マガジンが新連載ラッシュと同時に最終回ラッシュで、5作品も一気に最終回を迎えた2014年3月号などもあり残念に思うこともあるからです。
同誌の2014年4月号目次コメントで佐藤友生先生が書いていた「最終回は皆にとって特別だと思うので、一度に何本もは悲しい・・・。」が心に響きます。

来月号は映画版テルマエ・ロマエIIの特集があるようですが、漫画版のIIはいったいどうなるのか気になります。
映画に合わせて再開すると嬉しいです。